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Q:  循環器の医師を志したきっかけは?
先祖の一人が解体新書の頃、長崎の出島でオランダ医学を学び江戸で開業していた人だったため、医学というものにずっと強い興味を抱いていました。私が医師になりたての頃は、聴診器一本で心臓の病気が分かる循環器科が花形で、特に医学生から人気があり活気のある診療科でした。今ではベーシックになった、心臓弁膜症や急性心筋梗塞などの術式や治療法が確立しだしたのもこの頃で、めざましく発展していました。その後、先端の医療を学びたいという思いで、1980年に米国に留学させて頂き循環器の道を歩むようになりました。
 その後の勉強はこちらから・・                  
〜西澤茂樹〜

循環器疾患

 

 
━━━生活習慣の積みかさねの結果が生活習慣病!

  • ほとんどの生活習慣病の原因は不健康な生活習慣を続けた結果、身体の変化として高脂血症・糖尿病・高尿酸血症などの生活習慣病として現れてきます。

 
━━━循環器疾患の始まりは生活習慣病!

  • 循環器疾患は血管や心臓の不具合がもとでおこる疾患ですが、多くの循環器疾患の始まりは生活習慣病の放置にあります。生活習慣病の段階で、まだ大丈夫だろうと放置しておくともっと重度な循環器疾患に移行するのです。

 
━━━どうすれば?

  • 循環器疾患のもとが生活習慣病なら生活習慣を変えれば良いのです!それには原因を突き止めることが最も大切。みなさまのお話を伺い、生活習慣のどこに問題があり、またどのようにすれば改善できるのか。運動から食生活、心の問題にまで多岐にわたるアドバイスが必要です。

 
主な生活習慣病

高血圧

血圧の上昇で血管に負荷・・・
 
血管の中を流れる血液から血管が受ける圧力が常に高い状態が高血圧症です。圧力の高い状態が続くと血管はしなやかさを失い硬くなります。その結果、コレステロールや中性脂肪が血管の内壁につきやすくなり、血管内径がより狭くなるため悪循環に陥り、より血圧が上昇することになります。その結果、血管の劣化が起こります。

糖尿病

血液中の血糖値が上昇・・・
 
体を動かすためのエネルギーであるブドウ糖は食べ物や飲み物などを消化してつくられます。血液中のブドウ糖の量を示すのが血糖値で、糖尿病ではブドウ糖が細胞内にうまく搬送されないため血液中にあふれてしまいます。その結果、血糖値が高くなりエネルギーが不足するため体力も低下し、口渇、多尿、体重減少等の症状が現れます。始まりでは殆ど自覚症状がありません。

脂質異常症

心筋梗塞や脳梗塞のもと・・・
 
自覚症状がほとんどないため放置されがちですが、心筋梗塞や脳梗塞を引き起こす原因になります。脂質の多い食生活を続けていると、血液中のコレステロールや中性脂肪が増加し、放っておくと脂質が血管内部に溜まり動脈硬化を引き起こします。その結果、血管系の疾患を発症する可能性が増加します。

高尿酸血症

痛風や腎障害のもと・・・
 
血液中の尿酸値が高い状態(7.0mg/dl以上)をいいます。尿酸値の高い状態が長く続くと尿酸の結晶が沈着するため、尿路結核や痛風発作、腎障害等が引き起こされます。

喫煙

肺がんや心筋梗塞のもと・・・
 
タバコに含まれるニコチンやタール、一酸化炭素等の有害物質が、肺がん、心筋梗塞、狭心症といった疾患を引き起こします。喫煙する本人だけではなく、周りにいる人も受動喫煙による害を受けることになります。

肥満

全ての生活習慣病のもと・・・
 
体の脂肪組織が標準より多い状態をいいます。見かけは痩せていても内臓に脂肪が蓄積されているケースもあるため体重や体型だけで判断することはできません。全ての生活習慣病に肥満は影響を与えます。

主な循環器疾患

高血圧

高血圧症は血圧を繰り返し計測しても正常より高い状態いいます。最高血圧が140mmHg以上、もしくは最低血圧が90mmHg以上であれば高血圧症と診断されます。原因が不明な高血圧症のおよそ90%は本態性高血圧症です。この血圧症は、遺伝因子や環境因子が関与しており、生活習慣病と言われます。過剰な塩分・飲酒・喫煙・ストレス。運動不足や肥満等の複合的な原因が引き起こすと考えられます。血圧が高くなる原因がはっきりしている場合は、二次性高血圧症と呼びます。二次性高血圧症の場合、原因を治療することで高血圧症も治療出来る可能性があります。
 
(症状)
特に自覚症状は無いため知らない間に進行し、血管に障害を与えていきます。何らかの自覚症状が出たときには、動脈硬化を原因とする心臓病や脳卒中などを併発して発生したとも考えられます。高血圧症が原因で起こる疾患には狭心症や心筋梗塞があげられます。これらの疾患の自覚症状としては、胸の痛み、圧迫感、締め付け等の違和感があります。高血圧症自体による自覚症状は余りないため自覚症状を感じたときには併発している疾患はかなり進行していることがあります。

不整脈

脈拍や心拍のリズムが一定で無い状態の事を不整脈といいます。脈拍や心拍が正常であっても心電図に異常がある場合も臨床的には不整脈といいます。不整脈には脈拍が遅かったり早かったり不規則といったいろいろなケースがあります。脈拍数が100以上の場合は頻脈、50以下の場合は徐脈といいます。
 
(症状)
自覚症状がある場合は症候性不整脈、ない場合は無症候性不整脈と呼びます。病気が原因で起こる場合や生理的な場合もあります。動悸、息切れ、めまい、胸部違和感、胸痛などの症状があります。脈拍が40以下の徐脈になると、息切れやめまいなどの症状が出やすくなります。突然起こる頻脈の場合、120以上になると動悸や息切れのほかにめまい、胸痛、などの症状も現れます。心室性期外収縮、心房性期外収縮、心房細動等の症状があると、のどや胸の不快感、動悸や痛みを感じることがあります。これらの症状は程度や状況によって様々な事が考えられるため、軽重によって素人判断することは禁物です。専門医による適切な検査を受けて下さい。

心筋症

心臓を形成している筋肉が心筋で、その心筋に変化が起こり働きが低下する状態を心筋症と呼びます。発症の原因が分からない場合は突発性。心筋が厚くなると肥大型心筋症、薄くなると拡張型心筋症。併発している疾患との因果関係がはっきりしている場合は特定心筋症と呼びます。
 
(症状)
肥大型心筋症の場合は自覚症状が少ないため、検診等をきっかけに発見されることが多くあります。不整脈に伴い、めまい、動悸、呼吸不全等の症状も現れます。初期は労作時に発生しますが進行すると安静時でも出現し、就寝中に呼吸困難を来すこともあります。特定心筋症では、代謝異常、遺伝疾患等の原因で心臓の機能低下が起こり動悸、息切れ等の心不全の症状が現れます。

虚血性心疾患

冠動脈の閉塞や狭窄によって起こる虚血によって、心臓の筋肉に酸素と栄養が届かないため心臓に障害が起こる疾患です。そのうち、狭心症は一過性のもので冠動脈の動脈硬化や血栓によって引き起こされます。血液の供給が完全にストップした場合は心筋の一部が壊死するためその部分の機能が低下し、心筋梗塞を引き起こします。
 
(症状)
強いストレスや急激な運動を行うと心筋への血液供給が低下するため左胸や背中に圧迫感や痛みを感じます。

狭心症

一過性の虚血性心疾患を狭心症という。
 
(症状)
胸骨の裏側に圧迫感、胸痛などを感じ、しばしば下顎部痛も生じることがあります。この発作は長くは続きませんが、冷や汗や脂汗が出るような重苦しい締め付けられるような痛みが続きます。虚血によって、心臓の拡張機能障害が起こると肺うっ血が生じるため、胸焼け、肩こり、左肩甲部痛、心窩部痛や息切れを生じることがあります。

心筋梗塞

一部の心筋が壊死した虚血性心疾患を心筋梗塞という。
 
(症状)
 強い胸の痛みや冷や汗、吐き気、嘔吐、呼吸困難などの症状が通常、30分以上続きます。発作発生後6時間以内に血栓を溶かす薬剤を投与し、カテーテルによる適切な治療を施せば大部分の心臓の筋肉を救うことが出来ます。心臓への酸素の供給が止まっている状態のため、一刻を争う処置が必要です。

心臓弁膜症

心臓には・大動脈弁・僧帽弁・肺動脈弁・三尖弁という4種類の弁があり、血液が逆流するのを防いでいます。心臓弁膜症は、これらの弁が先天性欠損、炎症や外傷によって支障をきたし、血流に支障をおこしている状態をいいます。弁が癒合して充分に開かない場合を狭窄症、便の閉鎖が不完全で血液が逆流する場合を閉鎖不全症と呼びます。混合で起こる場合もあります。弁に障害が発生した結果、心不全や不整脈を起こすこともあります。
 
(症状)
 弁の開閉に問題があることで新鮮な血液が全身に搬出されません。従って、息切れや呼吸困難、心不全の症状、狭心痛、鬱血による顔面や下肢のむくみ、膨満感などが現れます。血栓が発生しやすいため注意が必要です。