Q: 循環器の医師を志したきっかけは? |
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先祖の一人が解体新書の頃、長崎の出島でオランダ医学を学び江戸で開業していた人だったため、医学というものにずっと強い興味を抱いていました。私が医師になりたての頃は、聴診器一本で心臓の病気が分かる循環器科が花形で、特に医学生から人気があり活気のある診療科でした。今ではベーシックになった、心臓弁膜症や急性心筋梗塞などの術式や治療法が確立しだしたのもこの頃で、めざましく発展していました。その後、先端の医療を学びたいという思いで、1980年に米国に留学させて頂き循環器の道を歩むようになりました。 |
その後の勉強はこちらから・・ |
〜西澤茂樹〜 |
━━━生活習慣の積みかさねの結果が生活習慣病!
━━━循環器疾患の始まりは生活習慣病!
━━━どうすれば?
高血圧症は血圧を繰り返し計測しても正常より高い状態いいます。最高血圧が140mmHg以上、もしくは最低血圧が90mmHg以上であれば高血圧症と診断されます。原因が不明な高血圧症のおよそ90%は本態性高血圧症です。この血圧症は、遺伝因子や環境因子が関与しており、生活習慣病と言われます。過剰な塩分・飲酒・喫煙・ストレス。運動不足や肥満等の複合的な原因が引き起こすと考えられます。血圧が高くなる原因がはっきりしている場合は、二次性高血圧症と呼びます。二次性高血圧症の場合、原因を治療することで高血圧症も治療出来る可能性があります。
(症状)
特に自覚症状は無いため知らない間に進行し、血管に障害を与えていきます。何らかの自覚症状が出たときには、動脈硬化を原因とする心臓病や脳卒中などを併発して発生したとも考えられます。高血圧症が原因で起こる疾患には狭心症や心筋梗塞があげられます。これらの疾患の自覚症状としては、胸の痛み、圧迫感、締め付け等の違和感があります。高血圧症自体による自覚症状は余りないため自覚症状を感じたときには併発している疾患はかなり進行していることがあります。
脈拍や心拍のリズムが一定で無い状態の事を不整脈といいます。脈拍や心拍が正常であっても心電図に異常がある場合も臨床的には不整脈といいます。不整脈には脈拍が遅かったり早かったり不規則といったいろいろなケースがあります。脈拍数が100以上の場合は頻脈、50以下の場合は徐脈といいます。
(症状)
自覚症状がある場合は症候性不整脈、ない場合は無症候性不整脈と呼びます。病気が原因で起こる場合や生理的な場合もあります。動悸、息切れ、めまい、胸部違和感、胸痛などの症状があります。脈拍が40以下の徐脈になると、息切れやめまいなどの症状が出やすくなります。突然起こる頻脈の場合、120以上になると動悸や息切れのほかにめまい、胸痛、などの症状も現れます。心室性期外収縮、心房性期外収縮、心房細動等の症状があると、のどや胸の不快感、動悸や痛みを感じることがあります。これらの症状は程度や状況によって様々な事が考えられるため、軽重によって素人判断することは禁物です。専門医による適切な検査を受けて下さい。
心臓を形成している筋肉が心筋で、その心筋に変化が起こり働きが低下する状態を心筋症と呼びます。発症の原因が分からない場合は突発性。心筋が厚くなると肥大型心筋症、薄くなると拡張型心筋症。併発している疾患との因果関係がはっきりしている場合は特定心筋症と呼びます。
(症状)
肥大型心筋症の場合は自覚症状が少ないため、検診等をきっかけに発見されることが多くあります。不整脈に伴い、めまい、動悸、呼吸不全等の症状も現れます。初期は労作時に発生しますが進行すると安静時でも出現し、就寝中に呼吸困難を来すこともあります。特定心筋症では、代謝異常、遺伝疾患等の原因で心臓の機能低下が起こり動悸、息切れ等の心不全の症状が現れます。
冠動脈の閉塞や狭窄によって起こる虚血によって、心臓の筋肉に酸素と栄養が届かないため心臓に障害が起こる疾患です。そのうち、狭心症は一過性のもので冠動脈の動脈硬化や血栓によって引き起こされます。血液の供給が完全にストップした場合は心筋の一部が壊死するためその部分の機能が低下し、心筋梗塞を引き起こします。
(症状)
強いストレスや急激な運動を行うと心筋への血液供給が低下するため左胸や背中に圧迫感や痛みを感じます。
一過性の虚血性心疾患を狭心症という。
(症状)
胸骨の裏側に圧迫感、胸痛などを感じ、しばしば下顎部痛も生じることがあります。この発作は長くは続きませんが、冷や汗や脂汗が出るような重苦しい締め付けられるような痛みが続きます。虚血によって、心臓の拡張機能障害が起こると肺うっ血が生じるため、胸焼け、肩こり、左肩甲部痛、心窩部痛や息切れを生じることがあります。
一部の心筋が壊死した虚血性心疾患を心筋梗塞という。
(症状)
強い胸の痛みや冷や汗、吐き気、嘔吐、呼吸困難などの症状が通常、30分以上続きます。発作発生後6時間以内に血栓を溶かす薬剤を投与し、カテーテルによる適切な治療を施せば大部分の心臓の筋肉を救うことが出来ます。心臓への酸素の供給が止まっている状態のため、一刻を争う処置が必要です。
心臓には・大動脈弁・僧帽弁・肺動脈弁・三尖弁という4種類の弁があり、血液が逆流するのを防いでいます。心臓弁膜症は、これらの弁が先天性欠損、炎症や外傷によって支障をきたし、血流に支障をおこしている状態をいいます。弁が癒合して充分に開かない場合を狭窄症、便の閉鎖が不完全で血液が逆流する場合を閉鎖不全症と呼びます。混合で起こる場合もあります。弁に障害が発生した結果、心不全や不整脈を起こすこともあります。
(症状)
弁の開閉に問題があることで新鮮な血液が全身に搬出されません。従って、息切れや呼吸困難、心不全の症状、狭心痛、鬱血による顔面や下肢のむくみ、膨満感などが現れます。血栓が発生しやすいため注意が必要です。